ボタンインコの色の仕組み|ルチノーが赤目になる理由と遺伝の基本
🧬 インコの色は、なぜこんなに違うの?
初めて青いボタンインコを見たとき、私は少し混乱しました。
「え、同じ種類なのにどうして青いの?」
黄色い子を見たときは、もっと驚きました。
「どうして目が赤いの?」同じボタンインコなのに、どうしてここまで違うのか。
そこで、今日はその内容を、できるだけやさしく、でも本質は崩さずにまとめます。
🟢 緑は、実は“緑”じゃない
まず、いちばん大事なこと。
ボタンインコの緑は、「緑色のインク」があるわけではありません。
緑は、3つの要素が重なって見えています。
- 青い構造色
- 黄色の色素(psittacofulvin)
- 黒色(メラニン)
青い構造色(塗っている色ではなく光の物理現象で見えている色)の上に黄色色素が重なることで緑に見えます。
青と黄色が重なると緑になりますよね。
そこに黒が加わって、色に深みが出ています。
つまり、緑は“奇跡のバランス”なのです。この野生で一般的な表現型を「ノーマル(野生型)」と呼びます。

突然変異は、こわいものじゃない
つぎに、大事なこと。
「突然変異」と聞くと、少しこわい響きがあります。
でも本当は、設計図のほんの小さな変化 それだけです。
じつは、自然界でも普通に起きています。
たとえば、
メラニンを作る遺伝子が働かなくなったら?
黒が作れません。
それがルチノーの始まりです。
🟡 ルチノーはなぜ黄色で、赤い目なの?
ここ、いちばん気になるところですよね。
ルチノーは ino 変異 により「メラニンを作れない体質」です。
黒がなくなると、緑を作っていたバランスが崩れます。
青い構造色の上に黄色が重なっていた状態が変化し、黄色の色素が強く見えるようになります。
そのため体は黄色になります。
そして目。
普通の黒い目は、目の中のメラニンが光を吸収しているから黒く見えます。
でもルチノーはそれがない。
そのため、
目の中の血管の赤い色が透けて見えます。
あの赤い目は、
「赤い色素がある」わけではなく、黒がないから見えている色なのです。
🔵 青い子はどうして青いの?
ブルーは、ルチノーとは違います。
黒はあります。
足りないのは「黄色」。
黄色がないと、青い構造色だけが見えます。
だから青くなります。
目が黒いのは、ちゃんとメラニンがある証拠です。
🧬 遺伝子は、2つで1組
ほんの少しだけ専門的になります。
遺伝子は、父親から1つ、母親から1つ合計2つもらいます。
緑色:bl⁺/bl⁺ → ミドリ色のノーマル因子が二つのパターン 緑色:bl⁺/bl → スプリット。見た目はミドリ色のノーマルでも、blにブルーを持っている、ただし、ブルーは劣性因子が2つそろわないと見た目に出ない性質を持つ常染色体劣性。 青色:bl/bl → 劣性因子が2つそろうことで発現。 スプリットは見た目がノーマルでも、中身はブルーを持っているという点でノーマルとは違います。これを知ったとき、私は「見た目だけで判断できないんだ」と少しハッとしました。
👧ルチノー、女の子だけ出ることがある理由
インコは
オス:ZZ メス:Z(ino)/ W
という仕組みです。
ルチノーは ino 遺伝子がZ染色体上に存在します。
メスはZが1本しかありません。
だから、生まれたひながメスの場合はZ染色体が1つあるだけでルチノーを発現します。
ここに“性連鎖”の秘密があります。
オスの場合は、Z(ino) / Z(ino)と2つそろわないとルチノーは発現しません。
スプリットという静かな存在
スプリットとは、
見た目には出ていないけれど、遺伝子を持っている状態。
専門的には
heterozygous(ヘテロ接合体)。
見た目は普通。
でも、次の世代で色が現れる。
私はこの仕組みを知ったとき、
「命って、思っているよりずっと奥深い」
と感じました。
最後に
色のしくみを知れば知るほど、
青い子も
黄色い子も
赤い目の子も
すべてが、偶然ではなく、ちゃんと理由があってそこにいることがわかります。
どんな色であっても、いちばん大切なのは色ではありません。
健康で、元気で、その子らしく生きていること。
色は設計図の結果。
命は、それ以上のものです。







































