丸棒の止まり木は危険?獣医師が警告する理由と、とまり木を選ぶポイント
丸棒タイプの止まり木が鳥に良くない理由
ペットショップやホームセンターでよく見かける「丸棒タイプの止まり木」。掃除がしやすく一見便利に思えますが、獣医師や専門団体は丸棒タイプの止まり木のみの使用を推奨していません。その理由は明確です。
精神的エンリッチメントが不足
均一で単調な丸棒は退屈で、鳥の本能的な行動欲求を満たしにくい環境となります。
足裏の圧力が集中する
太さが均一な丸棒では、鳥がいつも同じ角度・同じ足裏の部位で体重を支えることになります。結果として圧迫が強まり、足裏潰瘍(ソアフット/pododermatitis) の原因となります。
運動不足と関節の硬直
自然界では不揃いな枝にとまることで足指の筋肉と腱を使い分けています。丸棒ではその動きが制限され、筋肉の発達不足や関節トラブルにつながると指摘されています。
獣医師や専門団体の見解
- VCA Animal Hospitals(米国の大手獣医病院ネットワーク) “Birds can develop pressure sores on the undersides of their feet if their perches are all the same diameter, because they are constantly putting pressure on the same areas of their feet.”
(止まり木がすべて同じ直径であれば、足裏の同じ部分に圧力が集中し、圧迫性創を引き起こす可能性がある)
👉 VCA Hospitals – Perches for Birds - Niles Animal Hospital(米国) “Pressure sores usually develop in birds that are kept on perches of the same diameter …”
(同じ直径の止まり木ばかりで飼われた鳥は、足裏の同じ部分が摩耗し、やがて圧迫性創ができやすい)
👉 Niles Animal Hospital: Pressure Sores PDF - Currumbin Valley Veterinary Services(オーストラリアの鳥・エキゾチック専門獣医クリニック) “A dowel bird perch can even result in pressure sores.”
(丸棒タイプの止まり木は圧迫性潰瘍を引き起こすことがある) さらに、 “Perches should be natural wood branches, preferably with the bark still attached, as this provides a source of environmental enrichment — parrots love to chew!”
(止まり木は自然木の枝であるべきで、できれば樹皮付きが望ましい。これは環境的な楽しみを提供し、オウムはかじることを楽しむ)
👉 Currumbin Valley Vet – Perches - Avian Enrichment(鳥類行動ケア団体) “Natural wood perches provide irregular surfaces that exercise the bird’s feet and prevent muscle atrophy. … Birds also enjoy chewing bark.”
(自然木の止まり木は不規則な表面で足を鍛え、筋肉の萎縮を防ぐ。また鳥は樹皮をかじることを楽しむ)
👉 Avian Enrichment – Perch Materials
樹皮付きの自然木が理想的な理由(とまり木を選ぶポイント)
では、どんな止まり木が良いのでしょうか?
複数の獣医師や鳥類保護団体は、樹皮付きの自然枝 を推奨しています。
- 足裏マッサージ効果
凹凸が圧力を分散し、血流改善にも役立ちます。 - クチバシケアとストレス解消
樹皮をかじることで自然な嘴の摩耗が促され、ストレス発散にも。 - 多様な太さで足を鍛える
細い枝・太い枝を組み合わせることで筋肉や腱をバランス良く使えます。
まとめ
愛鳥のためには、樹皮付きの自然枝を複数組み合わせて使用することがベスト。
それが健康と幸福を守る一番の方法です。
米国(VCA, Niles)、オーストラリア(Currumbin Vet)、さらに国際的な鳥類ケア団体(Avian Enrichment)でも、丸棒止まり木だけに依存することはリスクがあると共通して指摘されています。





















