猛禽類アビアリ設計における止まり木の考え方
IAATEで学んだ視点から考える、猛禽類アビアリ設計と止まり木の要素(備忘メモ)
※本記事は、IAATE(International Association of Avian Trainers and Educators)の講義内容をそのまま転載・要約するものではありません。
受講を通じて得た学びをもとに、筆者自身の理解として整理した備忘メモです。
はじめに|「止まり木」は家具ではなく、環境そのもの
猛禽類にとって止まり木は、単なる「止まるための棒」ではありません。
- 足・爪・くちばしの健康
- 行動選択の自由度
- 心理的な安心感
- エンリッチメントの基盤
これらすべてに関わる、環境設計の中核要素です。
IAATEの講義を通じて強く感じたのは、
「どの止まり木を置くか」よりも、
「どんな選択肢を、どう配置するか」という視点の重要性でした。
① 自然木の止まり木が基本になる理由
まず基本となるのは、樹皮が残り、腐敗していない自然木です。
自然木がもたらすもの
- 表面の凹凸による爪の自然摩耗
- 足裏への刺激分散によるバンブルフット予防
- かじる・擦る行動によるくちばしの健康維持
特に重要なのは太さです。
- 指がしっかり巻き付く
- ただし爪先が足裏に刺さらない
- 1種類ではなく複数サイズを用意する
この「太さのバリエーション」が、足の使い方を単調にしないポイントになります。
② 高さと配置|猛禽は「選べる高所」を好む
猛禽類は基本的に、より高い位置を選択できる環境を好みます。
- 一番高い位置に自然木の止まり木を配置
- そこへ無理なく到達できる動線を確保
重要なのは、「常に同じ止まり木を使わせる」のではなく、
鳥自身が選べることです。
③ ターフ(人工芝)パーチは代替として考える
自然木が理想ではあるものの、
- 入手が難しい
- 頻繁な交換ができない
- 湿度が高く腐敗しやすい環境
では、ターフパーチが有効な代替手段になります。
下地で気をつけるポイント
- 木材の角をそのまま使わない
- パイプ用フォーム断熱材(例:3/4インチ)を下地に使う
- 角によるターフ割れ・足裏圧迫を防ぐ
ターフパーチの利点は、
- 圧力が一点に集中しにくい
- 湿気に強く、カビや腐敗が起きにくい
という管理面での安定性にあります。
④ プラットフォーム(平面)の重要性
多くの猛禽類は、止まり木だけでなく平らな場所を好みます。
- 横になって休む
- 物を置く・集める
- エンリッチメント行動の拠点
設計上のポイント
- 表面にターフを貼る
- 角を必ず覆う
- 排水穴を設ける
特に屋外アビアリでは、水が溜まらない設計が不可欠です。
⑤ 切り株(スタンプ)の汎用性
- ステーショニング
- 体重測定台
- 爪の自然摩耗
側面に穴をあけて枝を差し替えたり、葉付き枝を使ったエンリッチメントにも応用できます。
⑥ ロープパーチは慎重に使う
- 細かく編まれたナイロン製
- 最低でも5/8インチ以上の太さ
- 天井からの直吊りは避ける
- 壁+アイレット固定でほどよく揺れる状態
⑦ バスパン(水浴び容器)も環境設計の一部
- 羽をしっかり広げられる大きさ
- 出入りしやすい縁構造
- 清掃しやすい設計
⑧ 取り付けと安全性は「細部」で決まる
- ワイヤーケージでは内外から挟み込み固定
- ジップタイは切り口を必ず溶かして丸める
- 受け木を使い、抜けない構造にする
⑨ ランプ(スロープ)は選択肢の一つ
- 鳥のサイズに合わせた幅
- 歩行・走行しやすい角度
- 表面の滑り止め処理
まとめ|止まり木設計は「答え」ではなく「選択肢」
止まり木は「設置して終わり」ではなく、
鳥と対話しながら完成していく環境要素だと感じています。
BirdARCADIAの止まり木について
BirdARCADIAでは、鳥の身体の使い方や行動特性を考慮し、
自然素材を活かした止まり木を一つひとつ製作しています。
鳥種や体格、飼育環境に応じて選べるよう、
サイズや形状、設置方法の異なる止まり木をご用意しています。
ご家庭のコンパニオンバードに合った止まり木選びの参考として、
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